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ガープの世界    ジョン・アーヴィング   サンリオ文庫  181022



子どもは欲しいけど父親はいらない。そう考えたジェニー・フィールズが究極の方法で産んだ男の子ガープ。成長した彼は作家を目指すが・・・。

もうだいぶ前だけど、映画化されたものをテレビで見て「なんだか不思議な映画だなあ」思っていたら原作がアメリカで大ベストセラーだったらしく、翻訳も出てるというので読んでみたところ、映画では端折られたたっくさんのエピソードが書かれていて、なんだあ、これ全部映像化して欲しかったよ、と思ったものです。
読み出して最初に驚いたのが、なかなかガープが登場人物として出てこないじゃないか、ジェニーについてのことばっかり、ということ。とは言っても退屈という意味では決してありません。だってこの小説、ガープとその母ジェニーの親子の物語でもあるから。
それにしてもこのお話、次から次へと独特な人が出てくる出てくる。、ガープの家族はもとより、ロバータ・マルドゥーン、エレン・ジェイムズ、マイケル・ミルトンなどなど・・・。そしてご丁寧にも彼らの行く末が語られるところが何とも言えない説得力を持たせているような気がします。
それと、作家ガープが書いた「ベンセンヘイバーの世界」というものが作中小説としてかなりのページを割いて出てくるのだけど、これがまた衝撃作!読むのやんなっちゃう人もいるかもしれないけど、これが今生きている現実社会なのかな、とも思ってしまう。
そして解説かなんかにもあったけど、ジルシーという女性のセリフが印象に強く残る。それは、「なぜ本を読むのか」という問いについてのものなのだけど、彼女があっけらかんと答えたセリフがイカしています。
あーもう、これがよかった、あれはビックリしたとか、具体的なことをいろいろ言いたいのだけど、読んで驚いて欲しいので言えません、もどかしいです。そんな作品です!






粋な男たち    玉袋筋太郎   角川新書  180808



「浅草キッド」の玉ちゃんこと玉袋筋太郎さんが、現在では激減しているという「粋な男」とは、また「粋な男」になるためには、といったことを自身の体験や出会った有名無名の「粋な男」たちとの交流などをもとに語りつくす一冊。

この人は大昔、朝の情報番組で「浅草キッド」として水道橋博士さんと共に時事ネタを思いっきり茶化して紹介するコーナーが大爆笑もので、「毎回絶対見なきゃ」と思ってたのだけど、数回見ただけでコーナーが打ち切りになっちゃったのを覚えている。ずっと後で知ったのだけど、やはり芸能ネタをギリギリアウトの線まで茶化しちゃったのが原因だったみたい。残念・・・。
そして現在(2018年)、MXテレビの「バラいろダンディ」の火曜レギュラーとして出演中。毎回録画して見ています。
毎回バカなことばかり言ってて大笑いなのだけど、時々ズバリ、「そうそう、それ、正論だよ!」ってテレビに言いたくなるようなことも言うので今、一番応援したい人の一人かな。

で、この本もおもしろおかしいこともいっぱい書かれているので笑えるけれども、それに加えて「粋になるとは」を超えて「人として、こうあるべきなんじゃないかな」ということも、決して押し付けなんかではなくたっぷり詰まっている本なのではないか、と強く感じる。
自分も含めて、みんなが少しでもこの本みたいに考えるようになれば、ヘンな事件とか、ちょっとは減るんじゃないかなあ。






新解さんの謎    赤瀬川源平   文春文庫  180805



三省堂の国語辞典「新明解」は他のものに比べて例文が独特すぎる、ということを面白おかしく紹介しまくっている一冊。だいぶ前の本だけれど、今頃になって読んでみた。

そしたら確かに、「これが辞典の例文?」というようなものがたっぷりあるのでした。ほんとこれ、電車で読んでいたら思わず吹き出しそうになっちゃって、顔もひきつっちゃって大変でしたよ。どなたかチャレンジしてほしいくらい。






2分間ミステリ    ドナルド・J・ソボル   ハヤカワ文庫  180709



ほんの2ページの事件がどっさり詰まっている本。しかも、それぞれクイズ形式になっているので通勤の電車の中とかのちょっとした時間の頭の体操にはもってこいの一冊。






美人薄命     深水黎一郎   双葉文庫  180212

大学生、磯田総司がゼミのレポートの合格点を何とかもらうために、再提出の資料作りに仕方なく始めた福祉サービスの高齢者への弁当配達。もちろんボランティアなので報酬は無し。適当に済ませてしまおうと考えていたが、配達先の一人、内海カエとの出会いが彼を変えてゆく・・・。

この作家さんの「最後のトリック」にあまりの衝撃を受けたので、今度はこの本を読んでみた。そしたらこれまた大当たり!
「最後のトリック」とはまた別の、ジワジワくるものがある。あと、「年配者への福祉は大事だけど、ちゃんとみんなでよく考えて、よりよい方法を作り上げなければ」とか「戦争はよくない。戦争によってどれだけの若い命が「国」のために犠牲となり、まわりの人間にも大きな不幸を味合わせているのかを理解しなければ」といった問題提起も説得力のある形でお話に盛り込まれていた。
とは言っても、ちょっとチャラい大学生からの視点で物語が語られるので、堅苦しいことは全く無しです。

帯に「究極の純愛ミステリー」とあるけど全くその通り。




2001年宇宙の旅   アーサー・C・クラーク   ハヤカワ文庫  180205

絶滅一歩手前の人類の祖先の前に現れた謎の石板。300万年後、科学技術を発展させた人類の前にまたも現れた石板。今度は月の地中に。
そして「ある謎」の解明のために計画された人類初の土星への有人飛行。そこで乗組員が出会う驚異の出来事とは・・・。

1968年公開の、あまりにも有名な映画の小説版。映画版は昔からさんざん見たけれど、小説の方は5回も読んだこと無いかも。確かに、謎めかしたまんま終わっちゃう映画に対してのキッチリとした解説にもなっているので、「あの映画、さっぱりわかんないよ」なんていう人にはちょうどよいかも。公開直後にはそうとう売れたのでは?
それにしてもこの映画、300万年前のヒトザルから2001年の宇宙空間に場面が一瞬で切り替わるところは素晴らしく、そのあといろいろな形の人工衛星たちが「美しく青きドナウ」をバックに軌道を行く姿は、こんなにもクラシックが合うとは、と思ってしまうけど、小説を読むとこの時代の地球は国際情勢が危機的状況で多くの国が核を保有しちゃってて、しかも世界的食糧難だなんて書いてあってびっくり。少しも平和な未来なんかになっていないのだっ!




佐賀のがばいばあちゃん   島田洋七   徳間文庫  180115

漫才コンビ、B&Bとして爆発的に売れた島田洋七が、子供のころに預けられた祖母との生活の中での、おかしくもためになり、ときには泣けてくるエピソードの数々。
だいぶ前にベストセラーになったはずだけど、今頃になって読んでみたら、これがあなた、大笑いするし、グッときて泣けるしの大当たりの作品でした。やっぱり、こういうばあちゃんに育てられたからこそ、洋七さんはあれだけ面白い話芸を持つことができたのか、とも思った。

原爆投下、父親の死、広島から佐賀の田舎へ。有無を言わさぬ母親との別れ・・・。
あまりにも悲しい始まり・・・と思いきや、預けられた祖母の言葉、行動のひとつひとつが「なるほど」、「そうだよな」と感心するものばかりで、なおかつ笑える。うん、かなり笑えます!
そしてところどころ、泣けるエピソードもあって特に「運動会のお弁当」、「マラソン」の話なんかはどなたでもかなりうるうるするのでは。
この本もまた、内容(ネタ?)を紹介しちゃうともったいなくて、ぜひ読んでほしい、ページをめくって、笑って、泣いてほしい1冊です!





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