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「時が新しかったころ」 ロバート・F・ヤング 東京創元
調査のために恐竜型タイムマシンで白亜紀を訪れたカーペンター。そこで彼が出会ったのは何と二人の子供たちだった。さらに驚くべきことに、二人は火星の次期王位継承者とその弟だというのだ・・・。
思いがけず出会った二人の子供を、恐竜や二人を誘拐した奴らから必死に守るカーペンターの活躍が描かれるのだけれども、それよりも何よりも、子供たちとカーペンターの会話が読んでて一番楽しい。
とくに王女ディードレとのやりとり。王女といってもまだ子供。でもそんな女の子に、カーペンターが想いを打ちあけられないままでいる同僚、ミス・サンズについて、告白するようはっぱをかけられるところが自分の中では一番盛り上がった場面でした!
この小説も映画化希望!ただし条件として、王女ディードレのイメージぴったりの子役が見つかれば、の話。見つからない限りは絶対映画にしちゃダメです!!
(2015.12.7)
「なぞの転校生」 眉村卓 角川文庫
中学生、岩田広一のクラスに山沢典夫という、まるで「ギリシア彫刻を思わせるような美少年」が転校してきた。勉強もスポーツも優秀な彼であったが、態度はよそよそしく、雨を極度に恐れたりどこか普通ではない。彼の正体とは・・・。
しばらく前にテレビ東京でドラマ化されたものがかなり面白かったので読んでみた。そしたら、ドラマはかなり新たな要素をブチ込んで、スケールアップに大成功してたなあ、と思った。
そしてこの原作、意外と短く終わったけれど、短いながらも学生ならではの心情も、現代社会への批判も盛り込んであったので大満足。(2015.11.8)
「輪廻の蛇」 ロバート・A・ハインライン ハヤカワ文庫
昔から興味ある「時間もの」の決定版と言われる表題作を含む短編集。今頃になって読んでみた。映像化もされて、そちらも原作を壊すことなく完成したとのこと。
このお話、ストーリーを紹介しちゃうよりほんと、予備知識無しで読んでもらいたいのです。
なので文庫の裏にあるものをそのまんま。
酒場を訪れた青年は、おもむろに身の上話を切りだした。
「おれがまだ小さな娘だったころ」
ここから始まる。30ページくらいの話なのだけど、読み終わってからしばらく考えちゃうというか、頭の中に残っちゃうというか。よく「数奇な運命」というフレーズを見聞きするけれども、この話の主人公ほどの「数奇な運命」は無いでしょう。
(2015.11.8)
「手紙」 東野圭吾 文春文庫
豊かな生活はできなくとも、必死に働いて自分より勉強のできる弟を養っている兄。しかし、弟の進学の費用を得たいという思いが強すぎるあまり、強盗殺人を犯してしまう。
高校を卒業したばかりの、たった一人残された弟のもとに、獄中からの手紙が届く。
読み始めた直後から続きが気になって、あっという間に読み終えた。毎日発生する犯罪の数だけ、この主人公のように苦しみをしょってしまった加害者の家族も生まれてしまうという事実・・・。
困難ばかりが降りかかる話の中にあって、白石由美子と寺尾佑介だけはまっすぐな人間で、主人公をまともに受け止めてくれる。世の中捨てたもんじゃないよっていうことかな、と思い、少し安心。
こういう小説を中学あたりの国語で一冊読ませておけば、いつか何かあってヤケクソになるようなことがあった時に「そういえば、変なことをしでかすと、自分だけじゃなくてまわりも迷惑なんだよな」って考えて歯止めがきくんじゃないかなあ、とも思った。
少なくとも太宰の「一部分だけ」読ませるような授業よりよっぽどよいはず。(2015.6.29)
「神話の果て」 船戸与一 講談社文庫
ペルー奥地のゲリラ組織の首領暗殺を請け負った日本人工作員、志度正平。彼は同志として組織に合流する人物になりすまし、出迎えた組織のメンバーとともに本拠地を目指すのだが・・・。
久しぶりの船戸作品。今回は、主人公がゲリラ組織の首領を暗殺する理由のスケールがでっかい。だから、結末がどうなるだろうと思っていると、別のでっかい衝撃が待っていたのでびっくり。油断ができないのは相変わらずです。
しかしまあ、「こいつと最後に一対一で決着をつけるんだろうな」と思えるような人物が何人も出てくるのに、ことごとく死んで行ってしまう・・・。これまた油断できない展開でした。
結末の、何とも言いようの無い、しばらく考えちゃうような感じもまたよし。(2015.6.15)
「たたり」 シャーリイ・ジャクスン 創元推理文庫
過去に忌まわしい出来事のあった、いわくつきの屋敷の心霊現象を調査して論文として発表しようと、モンタギュー博士は霊感の強い女性2名と、いずれ屋敷を相続する男性を呼び集め、滞在することにしたが・・・。
母親の世話ばかりで、自身の生活など全く楽しむことのないままでいたエレーナが、あるきっかけでモンタギュー博士の調査に加わるまでが妙にリアルに描かれていたからこそのあの結末!!
この作家さん、「くじ」という話もこれと並んで代表作らしいので注文しようとしたら、残念ながら「品切れ、重版未定」とのこと。
過去に2回映画化されていて、最初の、白黒時代の方はレンタルで観た覚えがあって、「おばけそのもの」は現れず、音とかカメラワークとか雰囲気だけで怖い思いをさせてくれた。もう一回観てみたい。(2015.5.4)
「ママの神様」 室井佑月 講談社文庫
短編集。テレビではコメンテーターとしての室井さんが、いつも真っ当なことばかりズバリと言ってくれているので、作家としては一体どういうものを書いているのだろうと思い、読んでみた。
まわりにはいないけれど、この短編集に出てくるようなシングルマザーはたくさんいて、それぞれ一人一人が一生懸命だけれどなかなかうまくいかないことばかりなのだろうなあ、と思った。ひとつだけとびきり辛い話が重く残る。
せめて表題作のような、子供の存在のおかげで「よし、がんばろうっ」という気持ちに一人でも多くのお母さんがなれますように。(2015.3.13)
「銀河ヒッチハイクガイド」 ダグラス・アダムス 河出文庫
平凡なイギリス人の青年、アーサー・デント。ある朝、家の前に役人とブルドーザーと作業員たちが現れ、バイパス道路建設のために立ち退きを要求されてしまう。断固反対するアーサーに救いの手を差し伸べたのは友人のフォードだった。が彼はただの友人ではなかった・・・。
だいぶ前にラジオドラマとして放送され、大好評のためにテレビ化、映画化もされた話の小説版。もちろんベストセラー。
お話はほんと、銀河規模で盛り上がるのだけど、壮大なんだかすっとぼけているのかよくわからないままどんどん展開していきます。これがイギリスのユーモアか。(2015.3.13)
「マイ ネーム イズ メモリー」 アン・ブラッシュアーズ 新潮文庫
ダニエルは千年もの間、いくつもの人生を経験し、その記憶を失わないまま現在を生きている。西暦541年、北アフリカでの最初の人生で不幸な出会い方をしてしまった少女・・・。彼女と再び会いたい一心でダニエルは生き続けるが。
もともとタイトルも作者も知らずにたまたま目にしただけで買ってみた。しかしなんとまあ、千年前から始まるお話っていうだけで、スケールがでかい。そして、ダニエルが、ただ運命の人との再会を願いながらいくつもの人生を経ているだけかと思いきや、それを妨げる邪悪な存在もあったりして、緊迫感もあるし、逆に味方してくれる頼もしい者も出てくるのが面白い。
がしかし、ラスト、さんざん盛り上げておいて「つづく」は無いだろう・・・。せっかく千年という気の遠くなるようなダニエルの人生をたどって現在までわくわくしながら読んできたのに、さらに続くとは。まるで「バック・トゥ・ザ・フューチャー」みたいな終わり方。しかも続編はまだ出てないみたい。あんまりでした。
(2015.1.3)