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「ビブリア古書堂の事件手帖4 栞子さんと二つの顔」 三上延 角川



ついに、今まで語られるだけだったあの人物が姿を現した。主役を喰いかねない、この物語で最も重要であろう人物が・・・。

今回は江戸川乱歩についての謎解きがメイン。今まで一つも読んだことが無かったので、何か読んでみようという気持ちにさせられた。小学校の時の図書室にはきっとあったのだろうなあ。読むチャンスはあったのに。
あと、今回でやっとこさ、気になっていた大問題について進展があるかも!?という終わり方になっていたのにはちょっと驚いた。解決しないままずるずる引っ張るのかと思っていたから。 (2013.12.2)



「エイジ」 重松清 新潮文庫



郊外に住む中学生、エイジ。異性や部活で悩んだりと、ごく普通の学生生活を送っていた。が、ある日、町で発生していた連続通り魔事件の犯人が捕まってみたら、なんと犯人は同級生だった・・・。

犯人がどういう学生で、動機は何だったのか、とかいうことを描くのではなくて、ひたすら主人公エイジの思いが綴られてゆく。事件を起こしてしまった同級生と「自分」はどれほどの違いがあるのだろう。それはほとんど変わらず、いつか「自分」もやりかねないのでは・・・と考えてしまったり。
関係無いけれど、エイジと親しい「ツカちゃん」という、お調子者で、クラスのお笑い担当みたいな人物、私の中学生のときの同級生の○○くんに雰囲気がソックリで、出てくるたびに彼を思い出しちゃった。今頃どうしているかな。 (2013.11.11)


「ビブリア古書堂の事件手帖3 栞子さんと消えない絆」 三上延 角川



古本にまつわる謎を、人見知りだけど本のこととなると饒舌になる美貌の古書店主と読書が苦手な従業員が解いてゆくシリーズの第三弾。

今回は栞子さんの、消えた母親についての展開がちょっとあったりして興味をひく。でも、いいかげん、「あなたたちくっつきなさいよ」と言いたくなってしまう。でもくっついちゃうとシリーズとしてつまらなくなっちゃうのかな。あの「X-Files」も、「なぜモルダーとスカリーはくっつかないのか」という問いにクリエイターが「だって二人が互いを見つめ合っちゃったら、超常現象なんかを追っかけなくなっちゃうでしょ」 (2013.11.11)


「つぎはぎプラネット」 星新一 新潮文庫



1000篇以上の作品を書いた星新一。緑の背表紙でおなじみの新潮文庫のシリーズを買えばほとんどすべての作品を読めると思ったら大間違い。未収録のままの作品がたくさん存在していた!そんな作品たちを集めた、待望の本。

1997年に亡くなった星新一の新作(?)を、今になって読めるとは思ってもみなかった・・・。以前、忌野清志郎の没後しばらくしてから、行方不明になっていた音源が発掘され発売されたのを思い出した。
未収録作品集だからといって、別に没作品なんかではなくて、どれもこれも面白くて、ニヤリとさせられたり、という感じは今まで読んできたものと全く変わらぬ出来栄え。中でも、「ラフラの食べ方」は短いのにしみじみするし、「景気のいい香り」には笑った。
あとは、子供に科学の楽しさに触れてもらおうというような作品が多いなあ、というのが今まで読んできたものとは違う印象。せっかくだから、そういうものを抜き出して、児童書版として出してみては?とも思った。 (2013.10.4)



「山猫の夏」 船戸与一 講談社文庫



ブラジルの町、エクルウ。百年もの間、反目し続けるビーステルフェルト家とアンドラーデ家に支配されている町。そこへ現れた「山猫」と呼ばれる日本人、弓削一徳。彼の目的とは・・・。

山猫がエクルウに現れたのは、反目しあう両家に関するある事件の解決のためだったのだけれど、そのために強引な形で雇われる、語り手である「おれ」とともに、読者も物語に引きずり込まれてゆく醍醐味!
それにしても、いろんな人が登場して、いろんな人が死んでゆく。えっ!この人も!?っていう人も。
目的のためには暴力を使わざるを得ない世界なのだけれど、明かされる山猫の最終目的を思うと最後には何故か穏やかな、晴々した気持ちにさえなり、後味は良いです。 (2013.9.16)



「鷲は舞い降りた」 ジャック・ヒギンズ 早川書房



戦時中、敵国イギリスに侵入し、チャーチル首相を誘拐せよ!そんな無謀な作戦が立案され、歴戦の勇士シュタイナ中佐に実行命令が下された!!

第二次大戦を描いた戦争映画などでは、ドイツ軍はいっつも悪役だけど、この小説ではシュタイナ中佐以下、部隊員たちは潔い、立派な軍人として描かれている。
実際にはこんな出来事は無かったはずなのに、作戦が着々と準備され、進行していくにつれ、ひょっとしてこれ、成功するんじゃなかろうか?でもそうすると歴史と違う結果になってしまうし・・・と、不思議な気持ちになる作品だ。 (2013.9.16)



「KITANO par KITANO 北野武による「たけし」」 北野武 ミシェル・ラマン 早川書房



北野武がフランス人ジャーナリストに、子供時代から漫才師、映画監督、バイク事故、日本の在り方、死について・・・などなど、全てを語る。

子供の頃、ツービートが登場したときは衝撃だったけれど、今現在も活躍しているし、監督としても世界から評価されるまでになった人だけあって、特に日本について語る部分は興味深かった。
youtubeでツービートの漫才を見てみたけれど、今でも大笑いしてしまった。THE MANZAIとかを再放送するだけで視聴率とれるのでは?と思ってしまう。 (2013.8.26)



「タイニーストーリーズ」 山田詠美 文春文庫



短編集。この作家さんは初めて読んだ。おもしろい話も、ちょっと怖い話、何故か電信柱が主人公(?)の話もあったりして、バラエティに富んでいるなあ、と思った。
思わず笑ってしまったのは「ガラスは割れるものです」。そしておっかなかったのは「モンブラン、ブルーブラック」。これはコワい。

(2013.8.26)



「ビッグ・ドライバー」 スティーヴン・キング 文春文庫



講演会の帰り道、教えられた近道で大男に襲われ、命からがら逃げ帰り復讐を企てる女性作家・・・。という話と、ごく普通の暮らしをしていた主婦が、夫が実は連続殺人犯であることに気づいてしまうという話を収録。
この人も初めて読んだ。「シャイニング」に挑戦しようとしたら、無かったのでこっちを読んでみた。 どの場面を読んでいても「この後どうなんだろ?」と強く思わせるのはすごいなあ、と思った。あ、昔「ファイアスターター」というのを読んでいたのを思い出した。確か、軍の実験で薬を服用した両親の影響で超能力を得た少女の話だったっけ。今回のは超能力とかは出てこないので、次はそういうものを読んでみたい。

(2013.8.26)



「ビブリア古書堂の事件手帖②」 三上延 メディアワークス



鎌倉のある古書店で、ひょんなことから美貌の店主と働くことになった青年。二人は古書にまつわる謎を解いていく。

今さらながら第2弾、読みました。今回、栞子さんの過去についてのちょっと重い話しなんかも出てきたり、主役二人の距離がほんの少し縮まったり、今後が気になるような終わり方だった。どうなるんだろか。
(2013.5.6)



「シャーロック・ホームズの生還」 コナン・ドイル 東京創元社



古本市でなんとなく購入。一度は亡くなったと思われたホームズが「奇跡的に」復活するのだけど、滝に落っこちちゃったという、前作を先に読むべきだった・・・。
でも、最初のお話以外は前作未読でも十分楽しめた。それにしても、相変わらず、語り手であるワトソンがホームズにバカにされまくりの印象が強い。ホームズっていう人、性格的にちょっとどうなのよっていうあたり、最近話題の、舞台を現代にうつしたドラマがかなり忠実に再現してるかも。天才というものは、あんな感じになっちゃうのかな。

(2013.5.6)



「ペンギン・ハイウェイ」 森見登美彦 角川書房



『僕」の住む街に、ある日ペンギンが現れた。なぜ?「僕」はその謎を解こうとするが・・・。
主人子のアオヤマくん。賢いというか、ちょっとナマイキというか、とにかくしっかりものの小学4年生。彼がクラスメートのウチダくん、ハマモトさんとともにペンギンの出現だけでなく、他にも起きる街の謎に挑む。

この作家さんは、主人公が理屈っぽいダメ大学生であることが多かったような気がしたけれど、今回は小学生。とはいってもやはり理屈っぽいのでちょっと安心(?)。街にペンギンが出現、っていう、これどういう結末にもっていくんだろうか?とずっと気になってたけれど、読み終わってみると、なるほど、という気持ちも確かにあるのだけれども、それよりなにより、アオヤマくんに対して「少年」と呼ぶ歯科医院の「お姉さん」とのやりとりがやたら面白かったので、ラスト数行の盛り上がりは半端じゃなかった。
ついでに解説のラストの1行までもグっときました。
(2013.2.25)



「夢の10セント銀貨」 ジャック・フィニイ 早川書房



うだつの上がらない会社員、ベン・ベネルはある日、別世界へと迷い込む。別世界といっても、同じアメリカの、いつもの街並みの世界。ただし、彼の帰宅を待つ妻は、ベンが昔憧れていた赤毛の女性、テシーだったのだ!

この作者さん、前に読んだ「ゲイルズバーグの春を愛す」や「盗まれた街」は結構シリアスな雰囲気だったけれども、こちらはガラリと変わってかなりドタバタ感アリ。フレドリック・ブラウンの「発狂した宇宙」を思い出したりもした。 (2013.2.4)



「ガープの世界」(上・下) ジョン・アーヴィング サンリオ



子供はほしいけれど、結婚はしたくない。そう考えた看護婦ジェニー・フィールズは「ある行動」によってその望みを実現する。そして生れた息子ガープは、レスリングに熱中し、恋をし、作家を目指す若者へと成長する・・・。

「ガープの世界」と言いつつ、物語の最初の方は、母親ジェニーのことがかなり描かれていて、スターウォーズじゃないけれど、これは親子の物語なのかなとも思う。
先に、映画化されたものを何度も観ていたのだけれど、あんなにたっぷりの量の原作を、よくまとめたものだなあ、と。
ジェニー、ガープ以外にも、性転換した元フットボールプレイヤーのロバータ・マルドゥーン、ある理由から自らの舌を切る「協会」のメンバー、出版社の清掃婦なのに本の目利きのプロ、ジルシー・スローパー、生意気な学生マイケル・ミルトン・・・。ガープの人生に関わる、じつにさまざまな人たちが次から次へと出てきて、悲劇的でもあり、滑稽でもある出来事を演じる。 (2013.1.28)



「殺す」 J・G・バラード  東京創元社



セキュリティ完備の超高級住宅地で起きた殺人事件。各家庭の大人たちだけが無残な死体となって発見され、子供たち全員の姿はどこにもなかった・・・。

何とも不思議な事件の調査を命じられた主人公、ドクター・グレヴィルが淡々と調べるのだけれど、彼の到達した結論とは!? (2013.1.28)



「007 薔薇と拳銃」 イアン・フレミング  東京創元社



英国情報部員、ジェームズ・ボンドの活躍5編を収めた短編集。

映画だと、巨大な敵を相手に派手に戦う場面の連続・・といったイメージが強いけれども、これ、読んでみたらまるで印象が違った。もちろん、悪い意味ではなくて。
いきなり最初の話では、任務に失敗(!)した憂さはらしに、どこそこのレストランで何々という酒を飲もうか、と考えたりしちゃってる。地味ではく、リアルだなあ、と。
最後の「ナッソーの夜」なんて、あるディナーパーティーでボンドが主催の提督から、あるカップルの波乱万丈の出来事を聞いてるだけの話!もちろんグっとくるオチはあるけれど、映画とはまるで違う味がオリジナル小説にはあるのでした。 (2013.1.28)



「グロテスク」(上・下) 桐野夏生  文藝春秋



生まれながらの美貌を持ちながら、無残な最期を迎えることになるユリコ。そして彼女を憎み続けた、姉の「わたし」。「わたし」の同級生で、勉強で一番を目指し、一流企業に勤めるようになったにもかかわらず、渋谷の街に立つことになる和恵。

女性たちの、女性だからこその必死な生きざま。と言っても、自分は女性ではないので、「女性である」ことがどれほどのことなのかが分からず、この小説も、半分も理解できていないかもしれなくて残念。
でも、あれよあれよという間に読んでしまった。「OUT」よりスゴいかも。それにしても和恵の頑張り具合が痛々しい・・。
(2013.1.28)



「まぶた」 小川洋子  新潮社

匂いに敏感な僕の恋人。彼女は、身の回りのあらゆる匂いをガラス瓶に集めていたが・・・。


なんというか、つかみどころのないままフワフワとした短編集。
何か、小説って、「結局こうなったのか!」という終わり方でなくてもいいのか、と気づかせてくれたような本でした。
が、最初にちょっと書いた「匂いの収集」。これはかなりキました。仕事帰りの電車で読んでいたらラスト、正直驚いちゃった。
(2013.1.28)

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