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Nのために 湊かなえ 171231
なんか、淡々と進んでまたドカンッ、とくるのかと思ってたけど、そうではなかった。自分の抱いていた、全く違う方向への期待が過ぎたのか。
夢みるサイコ 手塚真 新書館 171231
昔テレビの夏のお化け特集で、この人が番組のために作ったという短い映像を2つ見たのだけど、それが怖かったのなんのって。1つは夜道を走る車とおまわりさんの話。もう一つはテレビ局のメイクルームの話。最近になって、YouTubeで見られるのかな、と思いそれらしきものを見つけたのだけど、やっぱり今見ても怖そうなので見なかった・・・。
で、古本市で見つけたのがこの本。ホントに映画が大好きなんだなあ、という文章がたっぷり。しかもまだ自分が見てない映画についてもわかりやすく説明してくれてるので、今度みてみようかなと思っちゃうくらい。自分も大好きな「未知との遭遇」に対する思い入れがたっぷりだったりして嬉しいけど、最後にデビッド・クローネンバーグのインタビューがあって驚いた!これは貴重だ、買ってよかったと思ったら最後の最後に今度はダグラス・トランブルのインタビューがあってまたびっくりでした。
リバース 湊かなえ 講談社文庫 171202
平凡な日々を送るサラリーマン、深瀬和久。行きつけの珈琲店で知り合った女性、越智美穂子と仲良くなったと思いきや、彼女の職場に「深瀬和久は人殺しだ」などという匿名の文書が送られてきた・・・。
続きが気になって気になって仕方のないお話でした。そして最後の最後まで気が抜けないという。あの最終ページの直後、深瀬はきっとこうなっちゃうはずだから、ああなって、こうなってそうなって・・・うーん。と、しばらくの間は空想に耽ってしまう作品です!なんにも予備知識無いまま読むのがよいと思うので今回はこれだけです。
アナログ ビートたけし 新潮社 171120
デザイン会社に勤める水島悟。友人たちとの待ち合わせで喫茶店「ピアノ」に一人先に入った彼は、そこで一人の女性と出会う・・・。
いやあ、良かった。お話も、出てくる人たちも文句なし!内容はこれ以上話したくないです。もうよそでさんざん紹介されてるだろうし、気になってもらって買ってほしいし。あと、いつか読んだ東野圭吾の「手紙」のときも書いたけど、この本も学校の授業で読ませるべきだと思う。まだあまり本を読んでない人たちに、続きが気になってページをめくる楽しさを存分に味わってもらうにはうってつけの一冊だ。
が、悟の友人、高木と山下の出てくる、まるで漫才のような場面が毎回大笑いなのだけど、いかんせん下ネタばっかりなので学校では無理かな。
作者自ら映像化する、と言ってるそうで、みゆき役にはどんな女優さんがいいかなあ、と時々考えちゃう。いつだったか何代目かの「七瀬」を演じたという芦名星さんなんかピッタリなのではないでしょうか?
家電の神様 江上剛 講談社文庫 171119
大手家電メーカーをリストラされてしまった轟雷太。彼は父亡き後、母が社長として切り盛りしている千葉県稲穂市の電器屋で、1メンバーとして再スタートを切る。しかし、近所には地元の電機店を駆逐せんとばかりに安売り攻勢をかけてくる大手家電量販店の存在があった・・・。
平日朝、「モーニングクロス」に出ていたこの作者さんが番組中、何回となく「私も「家電の神様」という小説を書いたんですけどね」と言っていたその日、出かけた先の商店街の古本屋さんで偶然見つけたので、これも何かの縁だと思い、購入。
近所にでっかい量販店があって、しかも目の敵にされてるちっちゃな店じゃ勝ち目は無いなあ、と思ってしまうが、骨太の雷太のお母ちゃんや参謀格の角さん、年下だけどやる気満々のシマくん、そしてわけあって一緒に働くことになった幼なじみの沙織などなど、本当の「仲間」のおかげで、売り上げで勝利を勝ち取る、というわけではないけど、十分納得のいく結末へと向かう。これがほんと、お見事な終わり方なんだな!
フレドリック・ブラウン コレクション 闘技場 フレドリック・ブラウン 福音館 171106
むかーしから読んでいる作家さんなのだけど、なんとあの福音館様から「ボクラノSF」として10代の人たちをターゲットとしたシリーズの1冊として出ていたので、40代終わりかけなのに購入してしまった。
やっぱりこの人しか思いつかないよっ!っていう独特すぎるお話のオンパレード。たとえば運転中、突然飛び出してきた自転車の女の子をひいてしまい慌てふためく男。しかし、警官を連れて現場に戻ってみると女の子はおろか自転車すら無い。そこで男は・・・。(「事件はなかった」)
異星人との戦争中、偵察機のパイロットが敵機に照準を合わせ、今まさに発射しようとした瞬間気を失い、我に返ると見知らぬ大地にいて、おぞましい異星人と対峙させられていた・・・。(「闘技場」)
上のふたつはおっかない感じのお話だけど、それと対極的で、ほのぼのさせられるのが「星ねずみ」。へんてこりんな科学者、オーベルガー教授の発明した小型ロケットに乗せられて地球を離れた、ミッキーと名付けられたねずみのたどる運命とは・・・。
悲しくはない。悲しくはないのだけれど、ラストの、ホロリ具合がよいのですよ。
タイムマシンのつくり方 広瀬正 集英社文庫 171027
だいぶ前に読んだ「マイナス・ゼロ」がよかったのでこちらも読んでみた。今回は短編集。
タイムマシンものではないけれど、一風変わった時間ものの「化石の街」が余韻残りまくりの一編だった。夏の休暇中に風景を描く旅行に出かけた青年がたどる奇妙でありながら恐ろしい運命。邪悪な人間も危険な場所も一切でてこないのにあんなことになるなんて・・・。
あとは「もの」。たった3ページの大傑作っ!
刺青の男 レイ・ブラッドベリ ハヤカワ文庫 171027
SFの形を借りつつも、戦争や人種差別、宗教など人間の歴史の大問題をテーマとするお話の数々。
昔からたまーに読み返したくなる1冊。やっぱりどれもこれも何回も読めるものばかりだ。
その中でも毎回グっときてしまうのが「ロケット・マン」。「ロケット・マン」といっても宇宙船も他の惑星も派手な冒険も一切出てこない。出てくるのは「ロケット・マン」である父の久しぶりの帰宅を今か今かと待っている息子、とその母親。息子は、宇宙を探検するというこの上もない立派な職業の父親に憧れているが、母親は・・・。
ほんの短いお話ながら、あのラストには毎回切なくなります。
あともう一つ、「今夜限り世界が」。こんな「世界の終わり」の描き方ってあるんだっ!
最後のトリック 深水黎一郎 河出文庫 171024
作家である「私」に「読者が犯人である」というトリックを二億円で買ってほしい、という手紙が届く・・・。
読んでいる自分が犯人・・・なんてことあるわけがない、と思うのだけれど、現にその内容で書かれたこの本がかなり評判になったというのでとても気になっていた1冊。
で、実際に読み始めてみたところ、予想と違って話の展開が少なかった。がそれはそれで全く問題無し。最初、場面があまり変わらないので退屈するかな、と思ったけど全くそんなことは無いまま話はどんどん進む。
問題の手紙本文と、「私」がそれについてあれこれ考察する部分、そして「私」が、ある研究をしている古瀬博士の研究室を訪れ、実験を見学したり議論をしたりする部分。ほぼその3つで全編乗りきってしまう。決してダラダラしないのがすごいなあ、と。
そして中盤を過ぎたあたりに起きるある大きな衝撃と、確かに「読んでる自分が犯人だ!」と思える結末が待ち受けていたので大満足。でも人によっては「こりゃダメだよっ!」ってなっちゃう人もいるかな。
歪笑小説 東野圭吾 集英社文庫 171002
前に読んだ「黒笑小説」の登場人物たちが多数出てくる大笑い短編集。しかも今回は全ての話が出版業界!
どれもこれもおもしろかったけど、やっぱり勘違い作家(?)熱海圭介の出てくる場面が一番笑ったかな。でも、笑うと同時に、本気で作家を目指している人にとっては、ここで描かれていることは笑い事ではないのかな、とも思ってしまう。
他に、職場体験で仕事場にやって来た上司の子供たちの相手をさせられる青山の絶体絶命のピンチを描いた「小説誌」、娘が結婚したい相手が小説家と聞いてビビりまくる父親のあたふたぶりが楽しい「職業、小説家」。この2編は笑っちゃうけどラスト、ホロっとさせられて「いい本読んだ!」気分にさせてくれます。
伝説なき地(上・下) 船戸与一 講談社文庫 170918
ベネズエラの、とうに石油の枯渇した地帯。その地下に燐酸イットリウムという今後の世界経済を一変させるという物質が発見された。土地の所有者は一儲けしようと企むが、そのためにはその土地に住みついたマグダレナのマリアと呼ばれるリーダーに導かれた多数のコロンビア難民を排除する必要があった・・・。
というのが発端なのだけど、土地の所有者エリゾンドの企みに続いて、コロンビアの刑務所で刑期を過ごす日本人、丹波春明が、収容者が10名を超えると必ず死者が出る、と噂される雑居房に移されるさまが描かれる。
そしてもう一人の日本人、鍛冶司朗。彼は現地の小悪党数人を使って護送車の襲撃を計画していた・・・。
その他わけありの人物がたくさん出てくるのだけど、結構な人物が命を落としてしまう。それも、かなり背景がたっぷり語られた人物が。こっちが「ふーむ、この人はこの先どうなっていくのだろう」と考えながら読んでた登場人物が死んじゃったりするので驚いてしまう。そういうことが何度もあるので読み応えずっしり。
終盤、ついに極悪人と、それに立ち向かう者たちとの対決の場が訪れるが、その決着がついた後に待ち受けていた何ともやるせない、主人公と同じく「なぜだ」っと叫んでしまいそうな皮肉な結末。皮肉?そんな軽いもんじゃないか。もう、今まで1000ページ近くも読んできた物語はいったい何だったんだっ!という思い。
ふんばれ、がんばれ、ギランバレー! たむら あやこ 講談社 170717
看護師としてバリバリ働き始めた矢先に「ギランバレー症候群」を発症してしまった作者による闘病体験コミック。
職場の方に熱くすすめられて読んでみたら確かに面白かった!内容が内容なのに。
「ギランバレー症候群」という難病をマンガという手段で最大限に表現してくれたんだなあ、と思った。しかもたっぷりの笑いと、ホロっとさせる場面もちらほらと散りばめて。
自分が苦しい立場になったときの考え方、そういう方に対する接し方なんかについてのことを、まったく嫌味なく正直に伝えてくれる1冊です!!
「手紙」と同じく、すべての人に読んでもらいたいから、道徳の教科書にでもして欲しいくらい、とも思った。
プラチナデータ 東野圭吾 幻冬舎文庫 170712
国民全員のDNAを管理し、犯罪捜査に革命的な発展をもたらすシステム。しかし、そのシステムにはあるからくりがあった。・・・。
管理されるのは嫌だけど、確かにこんなシステムがあれば犯罪はゼロに近づくのかなあ、と思ってしまう。警察も少しはラクになるだろうし。
でも、このお話では、そんなシステムがある事件で全くありえない容疑者を表示してしまう。
「手紙」のときもそうだったけれど、読みだすと続きが気になって仕方ない感が半端じゃないのでスルスルと読み進んであっという間に終わってしまった。
このシステムを使用する側の神楽龍平と刑事の浅間玲司。立場は違っても両者ともに解決のために必死になって行動する。特に浅間啓二の、システムなんかに使われたくない、刑事は足で捜査するものなんだっ!という思いというか、泥臭さっぷりがたまりませんでした。こないだ終わった傑作ドラマ「小さな巨人」の渡部さんがまさにそんなキャラクター。だから読んでるあいだ、ずっと頭の中では渡部さんの顔と声が再現されてました。
切り裂きジャックはあなたの友 ロバート・ブロック ハヤカワ文庫 170626
あのヒッチコックの大傑作映画「サイコ」の原作で有名なロバート・ブロックの短編集。
どの紹介文を見てもこの作家さんは上記のような説明をされているけれど、この短編集だってかなりの面白さが詰まっている代表作のはずなんだけどなあ、と思ってしまう。
とりわけこの表題作。切り裂きジャックがなんとまだ生きていて、現代のシカゴに来ている。しかも近日中に新たな殺人を犯すはず・・・などという突拍子もないことを確信しているイギリス紳士・・・。
もうこの設定だけでワクワクしてしまう。ちゃんと映画化すれば「サイコ以上の傑作が生まれるのでは?結末にもビックリ。この結末こそ「衝撃のラスト一行」だ!!!
反対進化 エドモンド・ハミルトン 創元SF文庫 170529
以前読んだこの作家さんの「フェッセンデンの宇宙」が異常な面白さだったのと、この「反対進化」というタイトルが気になって仕方なかったので読んでみた。
1930年代から40年代の作品が中心の短編集なのだけど、膨張宇宙論、脳移植、人類破滅後の世界などなど、ありとあらゆる斬新なアイディアが詰まっている。
それにしても表題作「反対進化」のラスト近く、タイトルの意味がわかったときには思わず「そうだったのかっ!」と叫んでしまいたいくらいの衝撃があったけど、さらにそのあとの結末の数行にもビックリ。
あとは「ウリオスの復讐」。これぞ、ザ・復讐、というお話。なんつったって、超古代のアトランティス王国の時代から、ずーっと、ずーっと、数千年も続く追っかけっこなのだから。「そんなに生きられるわけないじゃん」と言われそうだけどそこはSF、ちゃんとした理屈があるので安心(?)。ちょっと雑な気がしないでもないけど、まあいいか。
他の話も「そういうことか!」と驚きとともに初めて接する面白いアイディアのものばかりなのだけど、やっぱり読んでビックリして欲しいのでこれ以上は書かないでおきます。(書けない?)
一言だけいうと、「これってSF?」と思っちゃうけど、それ以上にホロリとさせられるお話も入っています。
ロックで独立する方法 忌野清志郎 太田出版 170410
すべての文章について説得力があるし、笑っちゃうようなエピソードもてんこ盛りだし、RCサクセションというバンドについての初めて知るようなこともいっぱいあるし、の宝物的な1冊。
他のロックの人の本は読んだことが無いのでわからないけれど、この人は本当に正直なんだなあ、と実感しながらページをめくっていたらあっという間に終わってしまった。できることならば続きが読みたかったのに・・・。
やっぱり気になるRCの終わりについても書いてあって、ちょっと寂しい内容だったけれど、そういうことならしょうがないな、といまごろ納得。
黒笑小説 東野圭吾 集英社文庫 170410
賞をとりたいとりたいと願う作家と、受賞は無理だろうなと思っている編集者が選考の結果を待つ・・。もうその設定だけでもおかしい「もうひとつの助走」。これだけで笑っちゃったのに、その作家や出版社の人たちが登場する関連作がほかにも3つ入っている。電車で読んでいて思わず声を出して笑っちゃいそうになった。みんなスマホなんか見てるけど、こんなに面白い本があるのになあ、とも思っちゃった。
ちなみに作家周辺の話以外も9編収録されていて、どれもおもしろおかしいものばかり。一つだけ、ホロっとさせられるのもあったりして。
11/22/63 スティーヴン・キング 文藝春秋 170312
高校教師ジェイク・エピングはある日、知り合いのアル・テンプルトンからとんでもないことを頼まれてしまう。
1958年に繋がっている「穴」を見つけたので、病気のアルに代わって過去に戻り、そこで5年間暮らし、リー・ハーヴェイ・オズワルドが第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディを狙撃するのを阻止して欲しい、と・・・。
あんまりにも分厚いのに加えて上下巻だったのだけど、特に下巻途中からはそれまで以上に続きが気になって気になって気になって仕方ない数日でした。ホント、『仕事なんかしてる場合じゃない』状態。
そしてついに訪れた最終頁を読み終えたファーストフード店では思わず泣きそうになっちゃった。
暗殺を阻止して歴史を改変しようという大きな目標と、過去の世界で出会ったセイディーという、ジェイクにとってかけがえのない存在となった女性。もうこれだけで立派な時間SF恋愛大長編なのだけど、それに加えてジェイクが過去で過ごすために教壇に立つことから、学生たちとの楽しいこと悲しいことなどのあれこれもあるし、迫りくる11月22日に向けて、果たして犯行が本当にオズワルド単独のものなのかを調べなければならなかったりもするので、時間SF恋愛青春サスペンス大長編か。
長~いけど読み応えありの大傑作。読んだ後もいろいろ考えちゃったり余韻に浸れるお話だけど、とりあえずは「ジェイク、お疲れ様!しばらくゆっくりしてちょうだい」と声をかけてあげたくなりました。
ツナグ 辻村深月 新潮文庫 170312
「使者(ツナグ)」と呼ばれる人物を介して、先立たれた肉親、恋人、同級生と再会を果たす者たちの人間模様。
職場の人から「今度テレビですごくいい映画やるから見てください!」と言われて見てみたら、確かに面白かったので原作を買って読んでみたら、やはりこちらも大当たり。
死者と会う、というとおっかない雰囲気の場所でかな、と予想していたら、なんと立派なホテルでだったり、再会を仲介する「使者」がまだ学生だったりと、良い意味で予想を裏切ってくれます。
そして、半信半疑なりにも再会を依頼する者それぞれのドラマも十分過ぎるほどの説得力があるので、結構あっという間に読めちゃいました。(自分にしては)
いくつかの再会が描かれた後、最後を見事に締めくくってくれるのが、「使者」それ自身の物語。その役目がどういうものなのか、どうやって受け継がれるのか、そしてまだ学生ながら「使者」を引き受ける彼の家族に何が起きたのか。それらについての謎も無事解決(?)し、納得もいく終わり方だったので大満足。
フェッセンデンの宇宙 エドモンド・ハミルトン 河出書房新社 170227
最近姿を見なくなった同僚教授のフェッセンデンの家を訪ねたブラッドリーが、彼の実験室で見たものとは・・・。などなど12編を収めた古典SF大作家の短編集。
この表題作、昔から知ってはいたけど、ちゃんと読んだのは初めて。実験室に作られた極小宇宙、そしてその宇宙の中の惑星には生命まで生まれていた・・なんていうブっ飛んだお話が50年以上も前に書かれていたとは驚きだ。
それだけでなく、その宇宙に発生した生命体と、彼らに対してフェッセンデンが行う数々の行為の描写!これこそSFの醍醐味だよ!と強く思った。
この表題作だけでも十分読み応えありなのに、「風」に育てられた少女(絶対に「フー子」の元ネタだ!)、棺の中で目を覚ました男、成長するにつれ、背に翼が生えてくる少年、毎晩眠りに落ちると異世界の人生を生きる男・・などバラエティに富みまくった作品の数々を収録。はっきり言って「お買い得」の1冊。
厭な物語 アガサ・クリスティほか 文春文庫 170116
いろんな作家による、後味の悪い話ばっかり10編を集めた短編集。
この本を買ったきっかけは、あのフレドリック・ブラウンの「うしろをみるな」が収録されていたから。大昔に読んだはずだけど、どっかにいっちゃって見つからないので買っちゃいました。それと、数年前に知ったけど、どこ探しても見つからなかったシャーリー・ジャクスンの「くじ」も入っていたのでお買い得でした。
他8編の中では「シーズンの始まり」という、狩りに出かけた経験を積んだ男と初心者らしき二人が山道をひたすら歩いて行くだけの話かと思いきや、「なにそれっ!」という結末が待ち受けてる話にはやられました。
で、やはり久しぶりに読んだ「うしろをみるな」、これだけは予備知識ゼロで読んで頂きたいのです。読者に語りかける小説はいくらでもあると思いますが、これはその、「語りかける」どころではない、危険なお話なのですよ・・・。